「2022若者の意識調査」のレポートを発表 ~サステナビリティ、金融経済教育の意識がキャリア、結婚などの考えに及ぼす影響を調査~
本調査は、2020年に行った同様の調査(以下「前回調査」/注1)に引き続き、サステナビリティや金融経済教育などに関する若者の意識が、キャリアや結婚、平和に対する考え方にどのような影響を与えているのかを把握するために実施しました。また、企業や団体などが政策提言、経営戦略、人材育成などを検討する際に、社会のトレンドを示す指標の一つとして活用できる内容ともなっています。
今般、本調査の結果を「2022若者の意識調査 ―サステナビリティ、金融経済教育、キャリア等に関する意識―」として取りまとめました。青少年(15~24歳)が社会のあらゆる分野に参加し、意見を反映させられる未来を目指して国連が制定した「国際青少年デー」(毎年8月12日)に合わせて、その結果を発表します。
2022若者の意識調査 ―サステナビリティ、金融経済教育、キャリア等に関する意識―
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/pdf/company/release/2023/0810.pdf
■概要
本調査の各章におけるハイライトは以下の通りです。
●サステナビリティ
- 全回答者の52.0%が環境問題や社会課題への解決意欲を示しているものの、実際に日頃社会貢献活動等を行動に起こしているのは21.3%程度に過ぎない(図表1)。この結果は前回調査でも同じ傾向が見られた。
- 全体の60.3%がSDGsは「世界で達成するべき重要な目標」と思っているものの、「目標としている2030年に達成できそう」と考える若者は全体の15.9%に留まる。
●金融・経済教育
- 全回答者のうち、金融や経済への関心は、男子(49.0%)の方が女子(37.8%)よりも高い。この結果は、前回調査でも同じ傾向が見られた。
- 投資への意欲がある若者(n=435)のうち、環境問題や社会課題に取り組んでいる企業への投資の意欲を持つ若者は、全体の65.0%である(図表2)。
●キャリア意識・結婚観
- 将来結婚した後、子どもがいない場合に希望する働き方として、「共働き(自分・結婚相手共に働く)」(48.7%)を選んだ若者が最も多い。
- 男子(42.4%)より多くの女子(55.0%)が「共働き(自分・結婚相手共に働く)」を選んでおり、女子の共働きへの意欲が高い(図表3)。
●平和について
- 「現在の日本は平和である」と思う若者は全体の70.7%である一方、「将来の日本は平和である」と思う若者は全体の49.1%である(図表4)。
●次世代からのメッセージ
「次世代からのメッセージ」として企業に向けたもの、大人に向けたものの2種類を自由記述で設定し、回答結果全文についてAIテキストマイニング(※)を実施したところ、それぞれの特徴的なコメントがハイライトされて抽出された(図表5)。
前回調査において、「環境問題や社会課題への解決意欲はあるが、行動に起こせていない」ことが明らかになったことを受け、日本総研では、自社で開発したサステナビリティ分野の人材育成プログラム(注2)を活用し、若者が環境問題や社会課題を学び、解決に向けた行動を体験できる機会をさまざまな形で提供しています。本調査の結果も前回調査と同様の結果であったことから、日本総研のインキュベーション・コンサルティングにおけるパーパスである「次世代起点でありたい未来をつくる」取り組みの一つとして、これまで以上に活動を強化する予定です。
(注1)若者の意識調査(報告) ―ESGおよびSDGs、キャリア等に対する意識―」(日本総研ホームページ/2020年08月13日)
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=36941
(注2)「SAKIアカデミアプログラム2022年度無償版」提供開始(日本総研ニュースリリース/2022年6月9日)
https://www.jri.co.jp/company/release/2022/0609/
SDGsリース「みらい2030®」(寄付型)と連携した新しいお金の教育「SAKI寄付教育プログラム」の提供について(日本総研ニュースリリース/2023年6月1日)
https://www.jri.co.jp/company/release/2022/0601/