【大麻使用に関する意識調査】大学生の3人に1人、日常生活で大麻を入手できると回答 〜大麻の使用について、約4人に1人が条件つき使用を許容〜
■アンケート調査実施の背景
若年層、特に大学生における大麻乱用の増加は、社会的な懸念事項となっています。政府の「第六次薬物乱用防止五か年戦略」では、若年層の大麻や薬物普及の原因として、インターネット上での薬物や関連情報の容易な入手可能性と、大麻の危険性についての誤った情報の流通を挙げています。※1
警察庁の統計によれば※2、薬物事犯全体の検挙者数は近年横ばいを続けていますが、大麻事犯の増加が全体を押し上げています。特に20代以下の若年層における大麻事犯検挙者数の増加は顕著で、2023年は中学生、高校生、大学生を含む256人の学生が大麻を巡って検挙されています。これは1990年以降初めて覚せい剤事犯の検挙者数を上回るという重大な状況です。
このような背景を踏まえ、株式会社ペンマークは大学生を対象にした大麻使用に関する意識調査を実施いたしました。本調査の目的は、大学生の間での大麻に関する誤解を明らかにし、適切な情報提供や啓発活動の方向性を示唆することです。
※1 厚生労働省「第六次薬物乱用防止五か年戦略(https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000339984.pdf)」
※2 警察庁「令和4年における組織犯罪の情勢(https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/R04sotaijousei/R4jousei.pdf)」
【本調査の結果サマリ】
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大麻による大学生の検挙が増加、大麻乱用問題の認識率は70.8%
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大学生の薬物使用に対する態度、約4人に1人が「特定の条件下での使用は許容される」
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約3分の1の学生が日常生活で大麻を入手できると回答
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大麻の入手ルート、SNSやインターネットに続き、2割が「友人・知人」
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大学生の大麻に対するイメージ、ポジティブな見方が先行
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大学実施の薬物に関する教育活動、認知率は高い一方で参加は4.3%。改善案について約400件のコメントが寄せられる
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薬物の相談窓口、大学生の3割が「知らない」
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大麻による大学生の検挙が増加、大麻乱用問題の認識率は70.8%
大学生の大麻乱用問題について聞くと、「非常によく認識している(自ら積極的に調べている)」が11.3%、「ある程度認識している(ニュースや啓発活動などから情報収集している)」が59.5%となり、合わせて70.8%の学生が大麻乱用問題について認識していることがわかった。多くの学生がニュースや啓発活動を通じて情報を得ており、一部の学生は自ら積極的に調べている状況も見て取れる。
大学生の薬物乱用がもたらすリスクについての理解度については、「非常によく知っている(リスクの詳細や法的な側面を正確に理解している)」が23.4%、「一般的な理解がある(基本的なリスクや法的な問題を知っている)」が59.4%、で、合計82.9%の学生が薬物乱用のリスクについて一定以上の理解を持っていることがわかった。
また「どちらかというと理解している」と答えた学生は12.0%、「あまり理解していない」と答えた学生は3.7%、「理解していない」と答えた学生はわずか1.5%に留まった。
大麻所持等による罰則については、「知っていた」と回答した学生は全体の86.5%に上り、「知らなかった」と答えた学生は13.5%であった。これは、大麻に関連する法的リスクに対する意識の高さを示している。
これらの結果から、大学生の薬物乱用のリスクについて、多くの学生が基本的な知識を持っており、さらに約4分の1の学生はリスクの詳細や法的側面を正確に理解している状況も見受けられた。
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大学生の薬物使用に対する態度、約4人に1人が「特定の条件下での使用は許容される」
薬物使用に対する態度について聞いたところ、大部分が「絶対に使うべきではない(66.2%)」に続き、「特定の条件下での使用は許容される(23.9%)」、「使用は個人の自由である(7.1%)」と答えた。
この傾向は、麻薬・覚せい剤乱用防止センターが指摘する若年層の大麻使用許容度の増加と一致しており、10代から30代で「少しなら構わない」「個人の自由」との意見が増えている現象を反映した結果となった。大麻乱用問題への認識や薬物リスクの理解を踏まえると、若年層の意識と態度の間にギャップがあることが明らかとなった。
※公益財団法人 麻薬・覚せい剤乱用防止センター 「薬物乱用防止のための情報と基礎知識(https://dapc.or.jp/kiso/01_whatis.html)」
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約3分の1の学生が日常生活で大麻を入手できると回答
薬物の使用、購入に関する経験について聞くと、大多数が「そのような経験はない(92.9%)」と回答。続いて、薬物の使用、購入を勧められたことがあると回答した学生は5.6%となった。
日常生活で大麻を入手できるかに関しては、「わからない(40.0%)」に続き、約3分の1の学生が「入手可能(36.1%)」と回答した。これらの結果からは、実際の勧誘経験が少数である一方で、大麻へのアクセスが比較的容易と感じる学生が多い様子が見受けられた。
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大学実施の薬物に関する教育活動、認知率は高い一方で参加は4.3%。改善案について約400件のコメントが寄せられる。
大学が実施する薬物乱用防止に関する教育活動においては、「知らない(39.9%)」、「知っている(33.4%)」、「知っているが、参加したことはない(18.5%)」と続いた。
さらに、「大学での薬物乱用予防教育にどのような改善が必要だと思いますか?」と聞いたところ、約400件ほどコメントが寄せられた。特に、必修科目として組み込むことを提案する声が多く、実体験の共有や薬物について正確に知る機会の提供等が求められている様子が見られた。一部抜粋して紹介する。
■ 大学での薬物乱用予防教育の改善案(学生のコメント)
✔︎ 大学側が必修授業や集中講義に組み込むことで学ぶ機会を提供する
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薬物に対する危機感を持っている人は参加しているため、そうでない人こそ受けやすい形が必要。どこからが違法なのか、使用するとどうなるのかをリアルに伝えた方がいい。同世代には、そこを想像できない人が多くいる。
✔︎ 実際に薬物乱用者の経験談を聞くことで、薬物の危険性を正しく認識する
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薬物に関する漠然とした知識やイメージがあっても、実際の薬物乱用者の現状を知っている人は少ない。そのことによって、大学生が安易に薬物を捉え、薬物に手を出してしまっているのではないかと感じる。そのため、実際に薬物を使用していた人の話を聞ける機会があれば良いと考える。
✔︎ 周囲で薬物使用を発見したり、勧められた場合の対処法について学ぶ
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断る勇気を与える。先輩や友達から言われて断れなくて、というパターンもあると思うので様々なパターンの断り方を教える。
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危険性のみならず、周りの人が使用していた場合どのような対処を取るべきかまで指導する必要があると考える。大学生は知人や友人に薬物を使用する人が見て見ぬふりをする人が多いと思うので、相談窓口や警察など通報先を知らせて、促す必要があると思う。
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総評
本調査から、大学生の間での大麻使用に関する意識と現実が顕著に明らかとなった。特に、大学生の約3人に1人が日常生活で大麻を入手できると回答しており、約4人に1人が条件つきでの使用を許容していることが判明した。これは、若年層における大麻に対する許容度の増加を示しており、大麻の入手方法としてSNSやインターネットが主要なルートであることを裏付けている。この点は、厚生労働省の「第六次薬物乱用防止五か年戦略」や警察庁の「令和4年における組織犯罪の情勢」においても指摘されている。一方で、大麻乱用問題への認識率は70.8%と高く、大麻に対する肯定的なイメージが先行していることも確認された。また、薬物乱用に関する教育活動への参加率は低いものの、約400件の改善案が寄せられ、大学内での薬物乱用防止教育のあり方に課題があることが浮き彫りになった。今後は、大学生に対する薬物乱用防止策や教育活動の効果的な実施、情報提供の透明性の向上が求められる。
【調査対象】
調査対象:「Penmark 公式LINEアカウント」を利用中の学生
対象エリア:日本全国
調査期間:2023年11月24日~11月26日
調査方法:LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査
有効回答数:758人