日本各地の”クラフト調味料”が大集合!オンリーワンの木桶仕込みの醤油26種、味噌14種、ぽん酢20種などが会場に
新世代のつくり手50人が魅力を伝える他では類のない6日間
今、若い醸造家を中心に木桶仕込みへの注目が高まっています。
近年のクラフトビールがそうであるように、地域に根ざす小規模生産者は風土やつくり手に基づいたオリジナリティーを追求しており、特に醤油や味噌などの伝統的な発酵調味料分野では、容器の表面に微生物が棲みつくことができる「木桶」の興味と評価が見直されています。
それだけを聞くと順風満帆にも思える木桶ですが、実は10年ほど前までは絶滅の危機に瀕していました。
木桶の寿命は一般的に150年程度と言われており、そのため買い替え需要が少なく、木桶に携わる業者が減少の一途をたどった結果、醤油業界では全体の1%以下まで落ち込んだ時期があったのです。
近年では、若い醸造家たちが「木桶」が生み出す独自の味と魅力を再認識し、各地で新しい木桶がつくられ、桶仕込みの製法を再開する蔵元が増加しています。さらに、海外でも木製容器で数年間熟成させる工程が、ワインやウイスキーと同じととらえられ、世界的な発酵ブームと相まって高い評価と興味が注がれています。
今回が第2回目となる本ベントは、木桶職人復活プロジェクトを主催する「ヤマロク醤油」の山本康夫さんをはじめ、木桶と発酵文化に魅せられた50人以上のつくり手が阪神梅田本店の食祭テラスで“木桶仕込み”の魅力をPRします。
会場には高さ約2m・直径約2mの大きな木桶が展示され、130以上の商品が並び、18の蔵元が講師を務める醤油と味噌の仕込みワークショップが開催されます。また、木桶の職人集団も駆けつけ、来場いただいた方と一緒に木桶づくりに欠かせない「芯」の製作を行います。
完成した芯は小豆島に持ち帰り、150年間使用される予定です。この6日間は、木桶の魅力を体感しつつ、つくり手と来場者との交流が生まれる貴重な機会です。
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会場で日本各地のクラフト醤油26種類と出会える楽しみ
醤油は微生物の発酵によって作られますが、木桶の表面には蔵元特有の微生物の生態系が形成されています。これが、同じ原材料を使っても、蔵によって味わいの多様性が生まれる理由。一口に醤油といっても、全く異なる個性があり、たとえば、バニラアイスにかけて美味しい醤油や、素材を極限まで活かす卵かけご飯にぴったりな醤油など、日本各地の26種類の木桶醤油が100ml(一部200ml)のミニボトルで集合し、それらを気軽に味比べできるイベントになっています。
<商品リスト>
三河しろたまり(日東醸造)100ml 486円
うすくち天然醸造醤油(片上醤油)100ml 540円
大鉄砲うすくち醤油(片上醤油)200ml 648円
天然醸造うすくち生醤油(正金醤油)100ml 486円
栄醤油 うすくち(栄醤油)100ml 486円
うまくち(桑田醤油)100ml 486円
木桶仕込み醤油【あさあけ】(太田與八郎)100ml 540円
根田の木桶醤油(根田醤油)100ml 540円
弓削多 有機しょうゆ(弓削多醤油)100ml 540円
日日是好日 濃口醤油(水谷醤油醸造場)100ml 540円
木まじめ(井上本店)100ml 540円
国産有機醤油(足立醸造)100ml 648円
古式しょうゆ(カネイワ醤油)100m l540円
生成り、濃口(ミツル醤油)100ml 540円
金芳(金芳醤油)100ml 648円
日本一 国産有機再仕込しょうゆ(岡直三郎商店)100ml 648円
三年熟成醤油(森田醤油)100ml 648円
鶴醤(ヤマロク醤油)100ml 648円
3年熟成再仕込醤油(岡本醤油)100ml 540円
長良(山川醸造)100ml 594円
響(伊勢藏)100ml 594円
宝山(中定商店)100ml 594円
みそたまり(石孫本店)100ml 540円
もろみ醤油(澤井醤油)100ml 1,620円
漆黒(山川醸造)100ml 648円
だししょうゆ(足立醸造)100ml 648円
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まるでワインのマリアージュ!醤油の分類はワインに似ているんです
木桶仕込みは蔵元による個性が様々、醤油は5つに分類することができます。 ワインの場合、白身魚には白ワインで、ステーキには赤ワインといったようにそれぞれに相性のよい組み合わせがあるように、実は醤油にもこの法則が当てはまります。
素材を活かしたい繊細な白身の刺身には淡口醤油で、うま味たっぷりのステーキには濃厚な溜醤油といった具合。もちろん、今回の会場には全ての種類の醤油がそろっており、醤油の蔵人が直接解説をさせていただきます。醤油を使い分けると、毎日の食がもっと楽しく美味しくなるはずです。
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20種類の木桶仕込み醤油を使ったぽん酢
木桶仕込みの醤油蔵が手掛けるぽんもが勢揃いします。
原材料や製造プロセスを大切にするつくり手だからこそ、素材を活かしたシンプルな味わいが特徴。醸造酢を使わずに柑橘果汁のみで酸味を表現したり、柚子、酢橘、橙などの果汁をブレンドしていたりと個性豊かなのも興味をそろられます。さらに、鰹節、煮干し、鯖節、昆布などの出汁醤油をつくるノウハウも加えて、やさしく使いやすい味に仕上げています。
<商品リスト>
YUZU×GINGERぽんず(桑田醤油)300ml 651円(税込)
ちょっと贅沢なぽん酢(ヤマロク醤油)500ml 1,944円(税込)
すだち生ぽん酢(正金醤油)360ml 648円(税込)
国産有機醤油を使った ゆずポン酢(足立醸造)200ml 648円(税込)
ゆずのぽん酢(森田醤油)250ml 994円(税込)
すだちの頑ぽん(山川醸造)300ml 1,188円(税込)
手造りポン酢しょうゆ(岡本醤油)360ml 594円(税込)
ぽん酢しょうゆ(井上本店)150ml 778円(税込)
柚子醤油(弓削多醤油)300ml 972円(税込)
香るぽんず(伊勢蔵)360ml 778円(税込)
橘果 ぽん酢醤油(金芳醤油)100m 810円(税込)
ポン酢の涙(岡直三郎商店)300ml 808円(税込)
など、20種類以上
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14種類の木桶仕込み味噌
木桶仕込みの味噌も14種類が登場。
百年近くまたはそれ以上長い期間使われている木桶の木の隙間に微生物が棲み着き、各蔵独特の風味や味わいを生み出しています。米味噌、麦味噌、豆味噌と併せて、甘さ、辛さなどの味わい毎にチャートで図式化。みそ探訪家の岩木みさきさんがおすすめの活用方法などもお伝えをします。
<商品リスト>
ガチみそ白(片山商店)200g 1,080円
ガチみそ黄(糀屋三郎右衛門)200g 864円
ガチみそ赤甘(石孫本店)200g 648円
ガチみそ赤中(井上味噌醤油)200g 1,080円
ガチみそ赤辛(丸久味噌)200g 864円
ガチみそ麦(貝島商店)200g 648円
ガチみそ合(麻生醤油醸造場)200g 864円
自然栽培みそ 結Yui 玄米(足立醸造)200g 702円
京の田舎粒みそ(加藤商店)200g 540円
味噌屋清治郎(河野酢味噌)300g 972円
岐福味噌(芋慶)200g 594円
豆麹味噌(伊勢蔵)200g 702円
宝山味噌(中定商店)200g 648円
信州白樺印みそ(新田醸造)200g 540円
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さらに、木桶を使った楽しい食品が130アイテム以上登場!
醤油や味噌、ぽん酢に加えて、ソースや酢、日本酒に漬物やお菓子など130アイテム以上のおいしい食品が大集合。
全てに共通するのが木桶が関わっているということ。木桶で仕込んでいたり、木桶仕込みの醤油がベースになっている加工品だったり、とにかく個性豊かな味わいが特徴です。
素材の厳選の仕方や普通とはちょっと違うひと手間を加えていたりと、木桶を使い続けるつくり手は、味や製法の追求の仕方が尋常ではありません。会場には50人以上のつくり手が集まって直接解説をしますので、つくり手とのコミュニケーションも、ぜひお楽しみください。
*醤油26種/味噌14種/ソース酢などの調味料14種/ぽん酢20種/お菓子・漬物などの加工品60種/合計130アイテム以上の木桶商品
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18の蔵元による醤油と味噌の仕込みセミナー
昨年、募集開始後すぐに満席になった醤油の仕込みワークショップ。
麹と塩水を混ぜる等の仕込み体験を行い、持ち帰って自宅で発酵と熟成をさせることで自分オリジナルの醤油や味噌を育てることができるというものです。今年はより多くの蔵人が講師を担当。醤油メーカー13社、味噌メーカー5社によるセミナーを開催します。
1日に3回程度開催予定で、5日間の会期中、毎日開催。各回12名で合計216名の方に参加いただくことができます。これだけの数の体験セミナーをこの短期間で開催するのはめったにない試みです。
<参加企業>
足立醸造(兵庫県多可町)
片上醤油(奈良県御所市)
麻生醤油醸造場(大分県玖珠郡九重町)
伊勢藏(三重県四日市市)
森田醤油(島根県奥出雲町)
山川醸造(岐阜県岐阜市)
貝島商店(熊本県熊本市)
栄醤油醸造(静岡県掛川市)
丸久味噌(新潟県上越市)
太田與八郎商店(宮城県塩竈市)
片山商店(京都府亀岡市)
弓削多醤油(埼玉県坂戸市)
日東醸造(愛知県碧南市)
岡本醤油醸造場(広島県大崎上島町)
中定商店(愛知県知多郡武豊町)
金芳醤油釀造元(福岡県飯塚市)
井上本店(奈良県奈良市)
ミツル醤油醸造元(福岡県糸島市)
醤油の仕込みワークショップは、蔵元から運ばれてきた麹を塩水と混ぜて醤油諸味をつくります。1.8リットル程度の容器に入れてお持ち帰りいただき、ご自宅で半年から一年程度発酵、熟成をさせていただくことで完成します。
※ただし、微生物が発酵することで醤油になるので、定期的にかき混ぜるなどの”お世話”をしていただく必要がございます。
それらの解説に加え、蔵人が日常の醤油の管理の仕方や、微生物についてなどを語りつくします。
とても簡単で、それでいて発酵の楽しさを実感いただける”マイ醤油づくり”のワークショップは必見!
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木桶づくりに欠かせない芯づくりをみなさんと行います
会場に木桶の職人集団が集い、”芯”の製作を来場者と共に行います。
完成した芯は小豆島に持ち帰り、実際の木桶づくりに活用。芯は木桶の周りを囲む竹箍(たけたが)の内側に入れることで竹箍のふっくらした綺麗なシルエットを保つと共に、木桶との隙間を埋めて密着させるために欠かせない部材で、木桶の寿命である100~150年の間、その役割を果たし続けます。
芯は竹箍の内側に入れます (※画像はイメージ)
約6メートルの竹に荒縄を巻きつけていくのは、見た目以上に大変な作業。参加者が一列になって竹をひたすらに回し続け、何十回、何百回と回し続けるうちに腕がパンパンになっていきます。黙々と作業をするのは辛いですが、自然と声をかけあっていれば、ライブ会場さながらの盛り上がりになることも。
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ワークショップを連日開催。メディアのみなさまの体験取材もお待ちしております!
今回は木桶職人が会場に集い、木桶の周りを囲む竹箍(たけたが)の“芯”をつくる作業をお客さまと一緒に行います。その“芯”は小豆島に持ち帰り、100年使い続けるために欠かせない部材として木桶づくりに活用します。
このほかの魅力的なワークショップも多数ご用意しております。
<参考:木桶とプロジェクトについて>
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10年前、木桶は絶滅寸前でした
〇木桶醤油は1%ほどに
江戸時代までは、和食のベースとなる醤油、味噌、酢、味醂、酒などの調味料は木桶でつくられていましたが、費用対効果の点から減少の一途に。醤油業界では全体の 1%以下まで減少しています。
効率化と機械化が推進され、プラスチックやステンレスタンクを採用する蔵元が大多数になり、ここ100年の間で新桶の発注は皆無になりました。結果、醸造用の大型木桶を組み上げることができる桶屋は10年前には1社のみになっていました。
〇100年~150年使える木桶
醤油をつくる木桶は高さ2~3m、直径2~4mほどで、150年近く使うことができます。接着剤や鉄釘は使用せずに、木材を精密に加工することで曲線のシルエットをつくり、竹箍で締めることで液体が漏れない構造になっています。
そして、木桶の最大の特徴が醤油を醸す微生物との関係。木材を顕微鏡で拡大をすると、微細な穴がたくさんある構造になっていて、そこに微生物がすみつくことができます。百年を超える歴史の積み重ねや気候風土に応じて唯一無二なオリジナルな微生物の生態系がつくられることになり、そのことが、その蔵元にしか出せない風味や味わいを醸すことを可能にしているのです。
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クラフトビールのような多様な個性
〇自然がつくる味
発酵環境は人工的な温度コントロールでなく、四季の温度変化による「天然醸造」。寒い時期に仕込み作業が行われ、夏にはぷくぷくと発酵がはじまります。春夏秋冬によって、木桶はその表情を変えながら醤油に適した環境をつくります。湿気が多ければ吸収し、寒い時には保温するように、いつも表情が異なります。
〇時間がつくる味
木桶の寿命は100年~150年といわれ、世代をこえて使い続けられています。現役で活躍している桶の多くが明治~昭和の初期につくられたもので、その木桶を有する醤油蔵はさらに長い歴史を刻んでいます。
多くの木桶の素材である杉は、その育成に数十年を要します。さらに、奈良県の吉野杉のような良質な材木を育成するためには、山づくりから取り組みをしています。そこには数百年に渡る先人たちの積み重ねがあることが分かります。
〇人がつくる味
日々、異なる表情を見せる諸味。毎年、出来栄えも変わります。「いつも違うから、いつも心配…」「木桶を信じて任せている!」「手はかかるけど、その分、楽しい」と、蔵人の接し方は様々です。
繊細な蔵人は頻繁に手を入れ、大胆な蔵人は新たな製法に果敢にチャレンジをする。醤油の味わいは蔵人の性格に似てくると言われます。ただ、共通するのは自分たちがおいしいと信じる醤油をつくること。より個性が表現される木桶が見直されています。
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木桶職人復活プロジェクト
〇伝統的な調味料の喪失
江戸時代までは、和食のベースとなる醤油、味噌、酢、味醂、酒などの基礎調味料は「木桶」でつくられていましたが、費用対効果が合わないという理由で減少の一途をたどり、醤油業界の例では全体の1%以下まで落ち込んでいます。
〇木桶の技術がなくなろうとしています
現在使われている木桶の多くは戦前に作られたものです。新桶がほとんどつくられない時期が続いたため、醸造用の木桶を製造する桶屋が2010年頃には1社のみに減少していました。
〇はじまりはヤマロク醤油
このままでは日本の伝統文化が消えてしまうと感じたヤマロク醤油の山本康夫は桶屋で修業し自ら桶づくりをすることに。さらに、木桶仕込みをしている全国の醤油蔵などに声をかけ、同じ志を持つ人々が企業や業界の枠を越えて集結。毎年1月に小豆島で新桶づくりをスタートしました。
木桶醤油の国内の流通量は1%ほど。その少ない市場を奪い合うのではなく、同じ志の蔵元、流通関係者に飲食関係者が横に連携し、共に市場を大きくするために進んでいきたいと考えています。そして、「木桶仕込みはおいしい!」ということが広まり、木桶に関する商品が増えた結果として、木桶の需要が高まり、日本各地に桶職人が増えていくという循環を実現したいと考えています。これが『木桶職人復活プロジェクト』です。
〇木桶でつくると、美味しくておもしろい
このような取り組みを通して、若い醸造家たちを中心に木桶への注目が高まっています。各地で新桶がつくられ、桶仕込みを再開する蔵元が増えてきました。
「木桶による発酵文化サミットin阪神」
■ 5月10日(水)→15日(月)
■1階 食祭テラス
■特集ページ:https://web.hh-online.jp/hanshin/contents/str/20230510.html