高校生とヘルスケア企業が共に考える「健康まちづくりプロジェクト」を千葉県立佐倉南高校で開催 ~誰もが歩きたくなる「夜道」をデザインしてみよう~
◆本プロジェクトの詳細
「佐倉市の夜道を、Walkableな道(誰もが歩きたくなる・歩きやすい道)としてデザインしてみよう!」
「健康な生活を送ろう」と言うのは簡単ですが、普段から意識して生活するのはなかなか難しいことです。
そこで本プロジェクトでは、「すべての人が幸せで健康な社会をつくること」をコンセプトに、多くの人が行っている「歩く」という行為に着目し、人々がもっと歩きたくなる・歩きやすいまちづくりに取り組んでいます。
本プロジェクトでは、試行の場として「夜道」を設定しています。
プロジェクトの一員である、佐倉南高校の夜間部に通う生徒たちだからこそのアイデアを大切にしています。
実際に自分や地域の人々が歩くことを想定し、多様な人々が幸せで健康な日々を送るためには、どのようなまちづくりが考えられるか、意見を出し合います。
大人も若者も一緒になって「正解のない問い」について、試行錯誤するプロセスを共有しています。
本プロジェクトを通して、自分にとっての健康や、まちづくりについて一市民として出来ることを考えるきっかけをつくります。
◆これまでの活動
10月から11月にかけて、佐倉南高校の「総合的な探究の時間」の授業コマを活用して、4回にわたり活動してきました(表1)。
1回目の活動では、岩渕薬品が考えている「健康×まちづくり」について、高校生に対して想いを語り、オーディエンス参加型の座談会を通して「健康」の定義について深く考え直しました。その後、高校生数名と社員1名でグループになり、佐倉南高校周辺の夜道を散歩し、暗さや景色を共有しました。
2回目の活動では、「道」のデザインと「スペース」のデザインを考えるグループを設置することを決定し、高校生と社員が混じって議論できるように、高校生数名と社員1名の構成を6グループ作りました。社員がファシリテーターの役割を担当し、それぞれの問題意識を共有して解決策となるアイデアについて、議論を深めました。
3回目の活動では、車椅子利用者であるパラリンピアンの花岡伸和さんからご講演をいただき、「あるく」という概念を一度捉え直す時間がありました。花岡さんからは「夜道だからこそ出来ることがある」と、力強いメッセージをいただきました。
4回目の活動では、グループごとに提案するアイデアを最終調整し、これまで検討を重ねてきたアイデアはホワイトボードにまとめ、それぞれ発表を行いました。発表内容に対しては、大人だけでなく、その場にいる全員で質疑応答を行い、提案した意図を深掘りしました。
「道」のデザインを考えるグループからのアイデア(一部抜粋)
・ライトを道に埋め込む ・何人かで歩くとお金がもらえるシステムをつくる ・50m, 100mなどのラインを設置する ・道に直接色を塗る |
「スペース」のデザインを考えるグループからのアイデア(一部抜粋)
・佐倉自販機ロード(健康夜食ラーメン) ・プランターを使った畑(パワースポットにする) ・歩数に応じてクーポンが発行されるアプリに対応した、 ローカルスーパー ・筋トレができる公園 |
表1 これまでの活動の概要
日時 |
活動の詳細 |
10月19日(木) |
・岩渕薬品株式会社 岩渕より話題提供 「岩渕薬品が取り組む、健康×まちづくり」 ・岩渕薬品株式会社 岩渕と県立佐倉南高校 伊藤教諭による座談会「健康ってなに?」 ・質疑応答 ・フィールドワーク「夜道を歩いてみよう」 |
10月26日(木) |
・グループワーク ・中間発表 |
11月2日(木) |
・パラリンピアン・花岡伸和さんより、 講演「自分らしく生きる」 ・質疑応答 |
11月30日(木) |
・グループワーク ・各グループによる発表 ・講評 |
10月26日(木)グループワーク
10月26日(木)グループワーク
11月2日(木)講演後の質疑応答
◆プロジェクトに関わった皆さんからのメッセージ(※敬称略)
県立佐倉南高校 夜間部 2年生 :
4回の活動を終えて、実際にプロジェクトに参加した高校生からは、様々な人の意見やアイデアを聞けて楽しかったとする感想や、「五感で感じられるもの」を作るという発想から大切なことを学べたという感想がありました。
県立佐倉南高校 教諭 伊藤晃一 :
夜間部の生徒は登下校時、夜道を通う。夜道ゆえの良さ、夜道ゆえの寂しさも知っているのが夜間部の生徒。夜間部の生徒だからこそ、誰もが歩きやすい・歩きたくなる夜道を、具体的に考えられると思った。
岩渕薬品の社員さんは「健康」のあり方を共に考えてくれる社会人として生徒たちに関わって下さっている。素朴なアイデアを面白がってもらえる温かい空気の中で、生徒たちも伸び伸びと考えることができている。岩渕薬品さんと共に、自分たちならではの仕方で、この道の実現に向けて歩いていきたい。
パラリンピアン 花岡伸和 :
佐倉南高校へ伺う度に「夜の学校」に対する自分の持っていたバイアスみたいなものが剥がれ落ちていく気がして気持ちが良いです。
みんなにとっても僕は知らない世界の入り口だと思うので、互いにwalkableを考えることでアップデートし合えたら嬉しいなと思います。
このプロジェクトのゴールまで見守らせていただきたいなと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いします!
岩渕薬品株式会社 代表取締役 岩渕琢磨 :
岩渕薬品では「次の100年に向けたまちづくり」として様々なプロジェクトを進めています。今回は佐倉南高校定時制夜間部の生徒さんと弊社の社員が健康をテーマに議論をしてきました。佐倉を「walkableなまち」にするための新しいヒントがたくさん得られて、本当にワクワクしています。実現が難しそうなことにも挑戦してみたいですし、出来ないと思われることについても、解決する方法はないのかアプローチしてみたいと思います。 このプロジェクトを通じて、高校生の声をまちづくりに反映した事例を一緒につくっていきたいと思います。これからの取り組みにぜひ注目してください。
岩渕薬品株式会社 佐倉営業所 塙卓樹 :
「医薬品の卸」という仕事柄、10代の方と接する機会はほとんど無く、ファシリテーターとして上手く生徒たちと関わることができるか不安がありました。対話する機会を重ねていく中で、生徒から率先して意見を出してくれるなど、ファシリテーター役である社員を助けてくれることが何度もありました。その姿が頼もしく、彼らの積極性や将来性が垣間見えました。
一般社団法人Spice 代表理事 郡司日奈乃 :
岩渕社長の地域に対する思い、そして岩渕薬品の社員の皆さんや花岡さんのあたたかさが、高校生たちにとってプラスにはたらき、回を追うごとに表情が豊かになり、グループワークでの発言回数も増えているように思います。本プロジェクトを通して、自分自身はもちろん、近くで暮らしている人の「健康」についても考え直し、何かのアクションに繋がることを期待して、今後も取り組んでいきたいと思います。
◆今後の活動について
11月末の発表では、岩渕薬品株式会社の社員と佐倉南高校の高校生たちが検討したアイデアが23個出揃いました。今後は、各ステークホルダーとの調整を行いながら、アイデアの実現に向けた検討を行います。
◆メディアの方による当日見学・取材について
これまでの活動経緯や今後の取り組みについて、各メディア(TV、新聞、雑誌、Webメディア等)からの取材を歓迎いたします。
取材をお考えの方は、御社名と担当者のお名前をご一報ください。広報担当より追ってご返信いたします。
受付用メールアドレス : press@iwabuchi-net.co.jp
■岩渕薬品株式会社概要
当社は1914年(大正3年)の創業から100年以上にわたり、千葉県を中心に医療の最前線と製薬メーカーを繋いできた医薬品総合商社であり、「健康」をキーワードに地域の課題解決に向けた活動も行う総合ヘルスケア企業です。地域の人々が安心安全で住みやすく、健康に年齢を重ねていける「まちづくり」に貢献すべく、健康増進プロジェクトの推進や医療支援などに取り組んでいます。さらには、医療に留まることなく環境、障害福祉、教育などの分野にも携わり、産学官をはじめとする様々なパートナーと共にソーシャルビジネスを推進してまいります。
URL:http://www.iwabuchi-net.co.jp/
■一般社団法人Spice概要
2023年4月、教育学を専門とする千葉大学大学院の学生2名が千葉市にて創業した一般社団法人。教育にスパイスを投じる存在を目指して、活動を行う。子ども自身が問題の解決者として実社会で動ける人になることをゴールに、様々な課題について子どもに考えさせ、何が問題で、どうすれば解決できるかを考えさせる教育プログラムを開発し提供する。