年間15万食オーダーされる清里高原「萌木の村ROCK」の「ビーフカレー」はなぜ人気なのか?

山梨県北杜市高根町に広がる清里高原は、八ヶ岳の南東麓に広がる観光地。その清里高原にある「萌木の村」は1971年に「喫茶店ROCK」の開業から約半世紀を経て、レストラン、ホテル、ビール醸造所、カフェ、メリーゴーラウンド、オルゴール博物館、各種クラフトショップおよび工房が集まる複合観光エリアへと成長しました。「喫茶店ROCK」は現在「萌木の村ROCK」として運営し、年間15万食オーダーされる清里の名物料理『ROCKビーフカレー』を提供しています。
今回ガクイチでは「萌木の村」の中にある、地元の特産品やお土産を中心としたセレクトショップ「萌木の村エッセンガルテン」の店長・舩木功さんに『ROCKビーフカレー』の人気の秘訣についてお話を伺いました。
▲「萌木の村」の広場から萌木桜と赤岳を臨む
▲舩木功さん
―年間約15万食オーダーされる『ROCKビーフカレー』は、いつ頃から提供し始めたのですか?
清里の地を農業地から観光地に開拓していく過程で、最初に出来た飲食店が「萌木の村」の前身となる「喫茶店ROCK」(1971年創業)なんです。詳細は分からないのですが、創業から数年後に「ビーフカレー」を提供し始めたと聞いています。
▲創業当時の「喫茶店ROCK」
―『ROCKビーフカレー』を作るに際して、食材のこだわりはありますか?
実は食材に特別なこだわりは無いんです。例えば「松坂牛」や「飛騨牛」などのブランド食材を使用しているわけではなく、原材料は極端な話、一般のご家庭でも揃えることが出来る食材です。
―では、レシピにこだわりがあるということですか?
レシピというと大げさかもしれませんが、一番の特徴は手間ひまです。1日以上煮込み続けることで食材を溶け込ませます。さらに1日以上寝かせてカレールーを熟成させます。これはプロの料理人の方から聞いた話なんですが、煮込むことで生まれる旨味やコクは煮込むことでしか出せないもので、色々と調理技術や調理器具が科学的に進化しても再現することが難しいのだそうです。手間ひまをかけるところが美味しさの秘訣だと思っています。「萌木の村」として「ビーフカレー」のPR活動に特別な力を入れたことはなかったのですが、お客様のクチコミをきっかけに少しづつ認知が広がっていきました。今自分が担当しているセレクトショップ「萌木の村エッセンガルテン」ではレトルトの『ROCKビーフカレー』を販売していますが、お蔭様でこちらも大人気です。
▲「ROCKビーフカレー(レギュラー)」 1,390円
▲「ROCKビーフカレー(レトルト)」 960円
―山梨県立北杜高校と共同でレトルトカレーを開発されていますが、その経緯を教えてください。
北杜市が推進する「食杜北杜」というプロジェクトがあって『食と農』を活かした住み続けられる「まちづくり」の一環として、地元の食材をテーマに生徒と市内の事業者が共同で商品開発を行います。「萌木の村」も事業者としてこのプロジェクトに参加し、今までに「レトルトカレー」や「ロールケーキ」を高校生と共に開発してきました。今、ガクイチで販売されている「GREEN 青春ROCK CURRYⅡ」は2023年度に開発した商品で、その際の食材のテーマが市内で生産される「大豆」だったんです。“萌木の村=カレー”のイメージを抱かれている方が多いということもあって「大豆」を使用したレトルトカレーの開発に取り組みました。前年の2022年度は「ブルーベリー」を使用したレトルトカレーを開発したのですが、カレーはスパイスとの調和次第で色々な食材を採り入れやすいんです。「グリーンカレー」にしたのは、もともと販売していた「ビーフカレー」のレトルトパッケージが「赤」、2022年に高校生と開発したブルーベリーを使用したレトルトカレーのパッケージが「青」だったので、光の三原則を踏まえて「緑」にしようということでカレー自体もグリーンカレーとしました(笑)。もともと「ROCK」という店名には、清里の開拓時期、“岩(ROCK)”がたくさんあったという地域柄と、自分自身も好きですが、創業者も好きな音楽ジャンルの“ROCK”の2つ意味があります。「GREEN 青春ROCK CURRYⅡ」のパッケージは「GREEN」とロックバンド「クイーン」をかけて、クイーンの名盤『ボヘミアン・ラプソディ』のジャケ写をオマージュしました。
▲ガクイチで販売中!「GREEN 青春ROCK CURRYⅡ」
価格は「青春ROCK」ということで690円(1箱)
―舩木さんが思う清里の魅力を教えてください。
やっぱり景観ですかね。このエリアは大きく括ると「八ヶ岳エリア」と呼ばれていて「萌木の村」以外にも自然との共存などをテーマとした事業が多く運営されています。八ヶ岳を眺めながら、豊かな自然の中で美味しいカレーを食べる。これも魅力の一つです(笑)。
▲舩木さんが店長を担う「萌木の村エッセンガルテン」の外観と内観
◆『萌木の村』
山梨県北杜市高根町清里3545
0551-48-3522
https://www.moeginomura.co.jp/