向陽台高等学校(大阪)にて教員対象に「汗のお話〜腋臭症・多汗症には治療法があります〜」講演会を実施/ネクイノ社
向陽台高等学校で行われた「不登校勉強会」の一環として行われた今回の講演では、皮膚科専門医でかねとも皮フ科クリニック理事長の金友仁成先生が座長、柳原茂人先生が講演者となり、不登校のきっかけになり得る汗っかきやワキガといった高校生の時期によくあるお悩みについて、原因と新しくなってきている治療法等についてお話しいただきました。
■「汗のお話〜腋臭症・多汗症には治療法があります〜」講演会について
実施場所:向陽台高等学校
実施日:2023年2月15日(水)
登壇者:かねとも皮フ科クリニック 医学博士・日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
理事長 金友仁成先生(座長)、柳原茂人先生(講演者)
対象者:向陽台高等学校の教員等
■講演内容
<講演背景>
まず、向陽台高等学校の先生から、2021年度の不登校の児童・生徒は24万4千人に上り、1年前に比べて約5万人増えているという課題について紹介がありました。「様々な原因がある中でその中には汗や皮膚に関する悩みを抱える生徒も多い。今回の講演を生徒への指導・アドバイスに役立ててほしい」と本日の講演の目的をお話しいただきました。
<腋臭症・多汗症には治療法がある>
講演の最初には、講演者である柳原先生から腋臭症と多汗症に関する原因・病態について説明がありました。「腋臭症は昔は手術しか対処法がなかったが、現在では清潔を保つことのほかに抗生物質(塗り薬)、汗を減らす薬でにおいを減らすことができる」と解説がありました。また、多汗症の中でも局所多汗症は7人に1人が困っていて、発症年齢は10代が多いことについても紹介がありました。多汗症であっても思春期なのでなかなか人に言えない・相談できないということが起こっており、学生生活の中でも答案用紙が濡れてしまって答えが書けない・パートナーと手を繋げない・服の色の選択肢が減る・恥ずかしくて学校行事に参加できないなどの問題を抱えている子がいるとお話がありました。
「多汗症で医療機関を受診した人は6.21%に過ぎず、市販の塗り薬やデオドラントで対処しているものの、ほとんどの人が満足していないという調査結果もある。最近は、汗を出す神経伝達を止めるシート剤やゲル剤など、治療の幅が広がってきていて、しっかり治療すれば症状が改善できる」と医療機関に相談することの重要性について強調されました。
参加教員からは「汗についての悩みを“皮膚科”に相談するということ自体知らない子が多いと思う。生徒に情報提供できるのはとても有意義だと思った」と感想をいただきました。
最後に、座長である金友先生からは「保険適用で有用な治療ができるにも関わらず、情報格差により正しい治療法が伝わっていない。ぜひ生徒に正しい情報を届け、生徒自身が自分の力を発揮できるような生活を送ってほしい」とコメントがありました。