【山梨県初】山梨英和中学校・高等学校が、22年度から始めた「総合的な探究の時間」の効果を検証するため、AIを活用して生徒同士で評価するツール「Ai GROW」を有償導入
1年間で、生徒の寛容性・批判的思考力・自己効力感などが向上
Institution for a Global Society 株式会社(東京都渋谷区、以下 IGS)は、山梨県初の事例として、山梨英和中学校・高等学校に、思考・表現・判断力や主体性などといった生徒の資質・能力の成長を、AIを活用して生徒同士で評価する「Ai GROW(アイ・グロー)」と、それらの力を育むための思考法を習得する学習コンテンツ「GROW Academy(グロー・アカデミー)」を有償導入しました。「Ai GROW」の有償導入は41都道府県目、「GROW Academy」の有償導入は6都道府県目となります。
4月24日(月)8:50より高校2年生86名が、4月27日(木)9:45より高校1年生92名が、「Ai GROW」を受検予定です。また、5月18日(木)9:45より、高校1年生92名が、「総合的な探究の時間」の授業で、「GROW Academy」を使って「ブレインストーミング(※)」の方法を学ぶ予定です。(ともに、取材可能)
※複数人でアイデアを出す方法
◆ポイント
- 山梨英和中学校・高等学校は、2022年度から始まった高校1年生の「総合的な探究の時間」で、探究のベースとなる力を育む思考法を習得する学習コンテンツ「GROW Academy」を、経済産業省「EdTech導入補助金2022」を活用する形で導入。
- 答えのない問いを解く力を育む探究型学習の教育成果は、従来の知識を問うテストで測ることが困難。そのため、AIを活用して生徒同士で互いに資質・能力を評価し合う「Ai GROW」もトライアルで利用。
- 「Ai GROW」による測定の結果、高校1年生(当時)の寛容性・批判的思考力・自己効力感などが伸びたことを確認。教育効果が認められたことで2023年度から「Ai GROW」「GROW Academy」を有償で継続されることになった
◆2022年度から始まった、高校1年生の「総合的な探究の時間」で、探究のベースとなる力を育成
山梨県唯一の女子中高一貫校である同校は、2013年度から2018年度まで文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の指定を受けるなど、これまでも理数教育および探究型学習に力を入れてまいりました。探究型学習は、知識の習得に重きを置いた授業ではなく、生徒自ら課題を発見し、仮説を立て、周りと協力しながらその課題解決を目指す、新しい学習スタイルです。
2022年度全面実施の新学習指導要領により、全国の高校で「総合的な探究の時間」をはじめとする探究型学習が本格的にスタートしました。同校も「総合的な探究の時間」を2022年度より開始し、高校1年生では探究のベースとなる能力を育成し、高校2年生では研究活動を行う予定です。
「GROW Academy」は、思考力・表現力・判断力等を育むためのフレームワーク(思考法)を学べる、動画学習コンテンツです。動画で思考法を学んだ後、その思考法を定着させる課題に個人やグループで取り組みます。同校は、経済産業省「EdTech導入補助金2022」を活用し、高校1年生の授業で「GROW Academy」を無償で利用しました。
◆高校1年生全体で、寛容性・批判的思考力・自己効力感・表現力などが向上
「探究型学習」で育む、答のない問いを解く力は、従来の知識を問うテストでは測れません。そのため、22年度の始めと終わりに、無償のトライアルでいくつかの資質・能力を「Ai GROW」で測りました。その結果、高校1年生全体で、寛容性・批判的思考力・自己効力感・表現力などが実際に伸びていることが確認されました。
このように、探究で重要なベースの能力の育成と、教育効果の測定とカリキュラムの改善のサイクルを継続的に回していくため、山梨県初の事例として、「Ai GROW」と「GROW Academy」を2023年度から有償導入することになりました。
◆探究型学習で活用できる、「答えのない問題を解決する力」を育む「GROW Academy」とは
思考力・表現力・判断力等を育むためのフレームワーク(思考法)を学べる、動画学習コンテンツです。各動画には学習指導案とワークシート、授業用スライドも用意されており、学んだ思考法を実践的に使える授業がすぐにできるようになっています。また、2022年度より全国の高等学校で全面実施となる「理数探究」に準拠した、STEAM学習教材「社会実装シミュレーション型プログラム」も搭載。いずれも、先生の負担を最小限に抑えながら、自ら課題を発見し、学び、考え、判断し、多様な他者と協働して課題を解決するために必要な資質・能力を育むことができます。
サービスサイト:https://www.aigrow.jp/grow-academy
◆なぜ、「Ai GROW」は探究型学習で伸びる力を可視化できるのか
○生徒同士の相互評価にAIの補正を加えることで、25種類もの能力を公正に評価
IGSは、生徒一人ひとりの強みを可視化・育成するための評価ツール「Ai GROW」を2019年4月にリリースし、国内外の小学校・中学校・高等学校300校以上、41都道府県(今回の山梨県初導入を含める)への導入を進めてきました。
知識を問う従来のテストでは評価が難しい「知識を活用する力」は、評価基準が曖昧になりやすく、また多様な能力を含むため、先生が生徒一人ひとりの能力を正確に把握することは非常に負荷が高くなります。「Ai GROW」は、生徒の自己評価に加えて、生徒同士が評価をする「相互評価」の方法を取り入れています。さらに、人が人を評価するうえで生じやすい、忖度や性格の甘辛などの不要な評価の偏りをAI(人工知能)が補正することで、25種類もの「知識やスキルを活用し、問題解決するための力」を公正に可視化することができます
「Ai GROW」サービスサイト: https://www.aigrow.jp/aigrow
◆探究型学習の教育効果の科学的検証を可能に
加えて年に何度受検しても金額が変わらないため、能力を定期的に測定可能です。これにより、測定した能力のデータを活用し、「どのような教育活動が、どのような能力育成に貢献したのか」を効果検証することができます。「探究型学習」による成長だけでなく、例えば、探究型学習の開始時期と終了時期に「Ai GROW」を受検することで、生徒が探究型学習を通して具体的にどのような能力を伸ばしたのかを定量的に評価することが可能です。
山梨英和中学校・高等学校
1889年に設立した、県内で唯一の女子校です。伝統を重んじつつ、時代に即した先進的なアプローチを臆することなく取り入れ、生徒たちが主体的に探究するカリキュラムを実践しています。2012年よりユネスコスクールに指定され、国連の開発目標であるSDGsを推進するために生徒一人一人が研究課題に取り組んでいます。また、2013年から6年間、文部科学省よりスーパーサイエンスハイスクール(SSH)として認可を受け、その成果が土台となり3割を超える生徒が理系分野に進学しています。創立以来11,000人を超える個性豊かな卒業生を世界各地に送り出しています。
学校サイト: https://www.yamanashi-eiwa.ac.jp/jsh/
Institution for a Global Society(IGS)株式会社
コーポレートサイト: https://www.i-globalsociety.com/