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全国初「学校版ソーシャルインパクト評価」を開発

2026.03.31
全国初「学校版ソーシャルインパクト評価」を開発

探究学習と「高校生の株式会社」の社会的価値を可視化 - 岡山県立高梁城南高校で実証

JONANホールディングス株式会社(岡山県高梁市)は、岡山県立高梁城南高等学校および高梁まなびとしごと未来共創コンソーシアムと連携し、全国初となる「学校版ソーシャルインパクト評価」を開発・実装しました。

 

本取り組みでは、これまで見えにくかった「生徒の活動が社会にどのような影響を与えているのか」を、定量・定性の両面から可視化する新たな評価手法を構築しました。

※探究学習および高校生のビジネス活動の社会的インパクトを体系的に評価する枠組みとして国内初(当社調べ)

 

◾️詳細資料のダウンロード

詳細資料はこちら(ダウンロードできます):https://drive.google.com/file/d/1y6W1-C6GgYbPwF0mjqOQyRRjbWGK0cMy/view?usp=sharing

 

■ 背景|企業で進む「インパクト評価」、教育では未整備

本評価の背景には、近年企業分野で広がる「ソーシャルインパクト評価」や「インパクト投資」の考え方があります。企業においては、利益だけでなく社会にどのような価値を生み出したかが重要な評価軸となりつつあります。

 

例えば、多拠点生活サービスを展開するADDress株式会社では、「多拠点生活が地域にどのような関係人口を生み出したか」といった社会的インパクトを指標として可視化し、事業評価に活用しています。

参考:https://www.masse.or.jp/material/files/group/3/94581068.pdf

 

また、産直プラットフォーム「ポケットマルシェ」を運営する雨風太陽株式会社は、生産者と消費者を直接つなぐことで「関係人口の創出」や地域経済への波及といった社会的価値を生み出しており、こうした社会的インパクトが事業価値として位置付けられています。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000046526.html

 

さらに近年では、社会性と経済性の両立を評価する「インパクトIPO(インパクト上場)」という動きも登場しており、社会課題の解決と経済成長を同時に実現する企業が資本市場において評価される流れが生まれています。

参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000167.000046526.html

 

一方で、教育分野においては同様の評価手法が十分に整備されていませんでした。

 

■ 課題|探究・ビジネス活動の成果はどう測るのか

教育現場では、探究学習や地域連携の成果について「成長した」「地域に貢献した」といった定性的な評価に留まり、その価値が十分に伝わらないという課題がありました。

高校生による探究学習における全般的な課題感であり、特に岡山県立高梁城南高等学校において設立した「高校生の株式会社」JONANホールディングス株式会社のビジネス活動の中で、以下のような問いが現場から生じていました。

  • 高校が設立した株式会社の成果は「利益」だけでよいのか

  • 地域や社会に与えている影響は、他にもあるのではないか

  • 最終的な成果である起業人材や地域の担い手の輩出は時間がかかる中で、その手前の変化をどのように捉えるべきか

  • 継続的な支援や出資を得るために、何を可視化すべきか

上記のような問いや課題感を踏まえ、本取り組みでは「学校版ソーシャルインパクト評価」を開発に取り組み、岡山県立高梁城南高等学校において実証を行いました。

 

■ ポイント①「利益の手前」を可視化する評価設計

本評価では、従来の「利益中心の評価」を見直し、活動のプロセスに着目した新たな指標を設計しました。具体的には、「交流」「感謝」「貢献」「売上」「利益」といった流れを分解し、利益に至るまでの過程そのものを評価対象としています。

交流した人数、「ありがとう」と言われた回数、挑戦や失敗の数、生み出したプロジェクトの数といった中間指標を設定することで、社会的インパクトを多面的に捉えることを可能にしました。

 

■ ポイント② 高校生の意識変化を評価

本評価では、生徒の意識変化を重要な成果として位置付けています。その際、「どのような人材を育成したいのか」「どのような社会を実現したいのか」という最終アウトカムから逆算し、必要な意識変化・行動変化を設計しています。

具体的には、将来的に、

  • 起業人材

  • 事業承継する人材

  • クリエイター人材

  • 地域社会の担い手となる人材

が育つためには、その手前段階として、

  • 失敗を前向きに捉え、挑戦を続けられること

  • この地域で何かをやりたいという意欲を持つこと

  • 将来も地域と関わりたいという意識を持つこと

  • 地域に信頼できる人(頼れる人)がいると感じられること

といった意識変化が必要であると整理しました。

本評価では、これらを「中間アウトカム」として指標化し、生徒の内面的な変化と行動の変化を可視化しています。

 

■ ポイント③ 大人の変容を評価(社会を動かす波及効果)

加えて、本取り組みにおいて特筆すべきは、高校生の活動を契機とした「大人の変容」です。

生徒の挑戦に触れた地域の大人が、

  • モチベーションや意欲が高まる

  • 若い世代をもっと応援したいと思う

  • 自らより地域に関わろう思う

  • 地域で新たなアクションを起こそうと意欲喚起される

といった意識変容・行動変容を起こし、地域との関係性が再構築されていきます。

これは単なる教育効果にとどまらず、高校生の行動が大人の意識と行動を変え、社会全体の変化を加速させるという、極めて大きな社会的インパクトです。

本評価では、このような大人の意識変化も指標として位置付け、教育活動が生み出す波及効果まで含めて可視化しています。

 

■ 開発プロセスとロジックモデル図(本評価の全体構造)

本評価の全体像は、以下のロジックモデル図の通り整理されています。

本モデルでは、「インプット(資源)」「アクティビティ(活動)」「アウトプット」「中間アウトカム(成果)」「最終アウトカム(成果)」という一連の流れで、探究学習およびビジネス活動が社会にどのような影響を与えるかを構造的に整理しています。

 

具体的には、地域企業や学校、資金などの資源をもとに、探究活動やビジネス活動が実施され、その結果としてプロジェクト数や交流人数といったアウトプットが生まれます。その過程で、「交流の発生」「感謝の発生」「挑戦の発生」「創り出したモノ・コト」などの中間的な変化が生じます。

 

これらの中間アウトカムが、生徒の意識変化および大人の意識変化へとつながり、最終的には起業人材や地域の担い手の輩出、地域社会への価値創出といった成果へとつながっていきます。

また、「利益」だけでなく、その手前にあるプロセスや副次的な効果を評価対象とし、大人の変容も含めて評価している点が、本モデルの特徴です。

 

■ 実証結果|半年間の活動を数値で可視化

本評価は、岡山県立高梁城南高等学校において実証を行い、探究学習の最終発表における17チームの活動を対象にテスト運用を実施しました。その後、JONANホールディングス株式会社の約半年間の活動にも適用し、実際のソーシャルインパクトを可視化しています。

2025年7月から2026年2月にかけての活動では、以下のようなソーシャルインパクトが確認されました。

 

▶ 活動の評価(地域・社会への波及効果)

【活動の広がり】

  • 延べ1,220人との交流

  • 20団体との連携

  • 24件のプロジェクト創出

  • 7件の大きな失敗(トライ&エラー)※小さな失敗は約50件

  • 50件以上の「ありがとう」の発生

【経済的成果】

  • 資金調達額:約47万円(現在時点)

  • 売上:21万円(見込み)

  • 粗利:4万円(見込み)

【社会的・広報インパクト】

  • メディア露出等による推定リーチ:2,000万〜3,000万人

これらの結果から、教育活動とビジネス活動の両立が実現されていることが確認されました。

 

▶高校生の意識変容

●挑戦への意欲:95.7%

(新しいことに挑戦したい、うまくいくかわからないことにも前向きに取り組む、未知の分野にも踏み出したいと考える生徒の割合)

 

●失敗をポジティブに捉える:89.3%

(失敗を成長の機会として前向きに受け止められると回答した生徒の割合)

 

●地域への継続的な関与意欲:80.6%
 (卒業後も地域に関わり続けたいと考える生徒の割合)

 

●大人とのつながりを実感:79.6%
 (地域の大人との関係性や支えを実感し、頼れる存在がいると感じている生徒の割合)

 

※2026年2月時点で岡山県立高梁城南高等学校の3年生にアンケート調査した回答の集計結果(回答数93件)

 

▶ 大人の変容

さらに、関わった大人においてはモチベーションの向上を100%が実感しており、高校生の活動が地域社会に与える影響の大きさが明らかになりました。

 

■ 意義|教育を「社会的価値」として可視化

本取り組みは、高校と高校生の挑戦を社会的価値として可視化することで、支援や出資の根拠を生み出し、持続可能な教育活動と地域との関係性を構築する基盤となるものです。

また、最終成果に至るまでの中間指標を示すことで、教育と社会をつなぐ時間的ギャップを埋める役割も果たします。

 

■ アドバイザリー

本取り組みは、以下のアドバイザリーのもと開発されました。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 上席主任研究員 阿部 剛志
(ソーシャルインパクト評価設計・ロジックモデル開発の助言・協力)

 

■ 今後の展開

今後は、本評価の全国展開や自治体との連携、教育分野におけるインパクト投資の可能性の検証、データの蓄積による評価精度の向上を進めてまいります。

■ 会社及び関係者概要

▶︎JONANホールディングス株式会社

岡山県立高梁城南高等学校と連携して設立された高校連携型株式会社。生徒の探究活動をビジネスとして実装し、地域との資金循環モデルの構築を目指す。

  • 詳細URL:https://www.jonan.okayama-c.ed.jp/wordpress/?page_id=26393

 

▶︎岡山県立高梁城南高等学校

電気科・デザイン科・環境科学科の3学科を有する専門高校。「ものづくり×ビジネス×地域連携」による探究学習を推進している。

  • 学校公式サイト:https://www.jonan.okayama-c.ed.jp/

 

▶︎高梁まなびとしごと未来共創コンソーシアム

高梁まなびとしごと未来共創コンソーシアムは、岡山県立高梁城南高等学校の株式会社設立プロジェクト(JONANホールディングス株式会社)とその運営を地域で支援、協働・共創していくために発足した地域コンソーシアムです。

  • 設立:2025年7月

  • URL:https://takahashi-edu-work-consortium.studio.site/

 

経済産業省 令和7年度「未来の教室」実証事業に採択されました

  • URL:https://www.learning-innovation.go.jp/news/r7-selected-applicants/

ガクイチNEWS

佐賀県立唐津南高等学校の生徒が佐賀県相知町で養蜂に挑戦! “唐津ミツバチプロジェクト”を発足した生徒にインタビュー!

佐賀県立唐津南高等学校の生徒が佐賀県相知町で養蜂に挑戦...

左から:佐賀県立唐津南高等学校 食品流通科 奈切蓮華さん(3年)、野﨑宙奈さん(3年)   故郷を未来に残すために、自然を活かした魅力を創出! 佐賀県立唐津南高等学校と相知町横枕地区の住民が協力して活動している“唐津ミツバチプロジェクト”。プロジェクトの立ち上げメンバーでもある唐津南高校3年生の奈切さんと野﨑さんは、ニホンミツバチの養蜂をはじめ、横枕地区の花植えや外国人向けの農業体験ツアーなど、横枕地区の自然を活かした魅力作りに取り組んでいます。今回は養蜂に青春を捧げる、奈切さんと野﨑さんに話を聞きました。 —唐津ミツバチプロジェクトの活動内容を教えてください。 奈切:唐津ミツバチプロジェクトでは、佐賀県相知町の横枕地区でニホンミツバチの養蜂を行っています。巣箱の製作や清掃など養蜂に関することはもちろんですが、それ以外にもひまわりの種や花を植えたりなど、横枕地区の自然を活かした地域を盛り上げる活動もしています。また、昨年度は自分たちで採蜜したハチミツを使った和菓子教室を開催しました。横枕地区は、環境省の『自然共生サイト』に認定されている区域なんです。『自然共生サイト』の情報を見て来訪される外国人の方向けに、観光と農業を組み合わせたツアーなども行っています。 ▲地域住民の方たちと巣箱を設置している様子。 ▲巣箱清掃の様子。   —唐津ミツバチプロジェクト発足の経緯を教えてください。 奈切:相知町の横枕地区は、山に囲まれ、厳木川(きゅうらぎがわ)という綺麗な川が流れている自然が豊かなところです。しかし住んでいる方の多くは70歳を超えており、若い人が少なくて。10年後、20年後には横枕地区自体がなくなってしまうのではないかと思い、横枕地区を未来に残すためには新しい魅力を作ることが大事だと考えました。そこでまずは佐賀県で養蜂を行っている方が少ないというところに着目して。養蜂であれば花や植物がたくさんある地域の特徴を活かすこともできると思い、2023年にプロジェクトを発足しました。   —初めて養蜂に挑戦した感想を教えてください。 奈切:養蜂となると至近距離で蜂と接しなければいけないため、最初は怖かったです。一度間違えて巣箱を開けてしまい、巣箱から大量に蜂が出てきたことがあって。刺されるのではないかと覚悟しましたね(笑)。でも今は楽しいです! この活動を始めていろいろな方と関わることが増え、「こんな活動をしていたんだ、すごい」と言ってくれる方もいて、魅力を伝えられてよかったなと思います。 野﨑:私も最初は怖かったのですが、活動をしていくうちに“私たちがやらなきゃ”と思うようになって。横枕地区は高齢の方が多いので、私たちが先陣を切って魅力を発信していこうという責任感が生まれました。   —昨年9月に初めて採蜜を行ったそうですが、その時の感想を教えてください。...

ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラストバンクが 高校生と一緒にふるさと納税返礼品を開発!

ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を運営するトラス...

  高校生の若い視点や発想は、地域の魅力を再発見する可能性を秘めている     “自立した持続可能な地域を作る”というビジョンを掲げる株式会社トラストバンクは、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」事業をはじめ、地域外から地域内にお金を循環させる事業、地域内でお金を循環させる事業など、ビジョンに基づいたさまざまな事業を展開しています。2024年8月には高校や大学などの教育現場と民間企業が協力する産学連携の取り組みの一環として、高校生と一緒に商品開発を行う新しいプログラムを開始! このプログラムは、高校生が主体的に地域の特産品や商品開発に関わることで、地元愛や将来への関心・意欲を高めることを目指し、地域の課題解決やキャリア形成の機会づくりとして企画されました。  プログラムの第一回には、岩手県立西和賀高等学校の3年生の生徒たちが参加! 西和賀町の食や特産品・工芸などそれぞれが興味のあるものをピックアップし、新しい商品アイデアや情報発信の方法などの企画立案をしました。企画をまとめる過程では、町内事業者をはじめとする地域の人たちと関わり合いながら、内容をブラッシュアップ。企画発表会にて、選ばれたアイデアは、事業者と協働し商品化を目指します。提案のうち、西和賀町で昔から受け継がれてきたビスケットに衣をつけて揚げた郷土食「ビスケットの天ぷら」の商品化に取り組むことに。最新の冷凍技術を使ってできたてのおいしさを再現、全国にお届けできる商品として秋の発売を目標に取り組んでいます。商品化が決定した際には、「ふるさとチョイス」の西和賀町ふるさと納税返礼品として取り扱う他、ECサイト「めいぶつチョイス」で販売予定となっています。  また今年度はすでに、島根県立浜田高等学校と、北海道導津高等学校の2校で商品開発プログラムを実施。トラストバンクの地域創生エバンジェリストの伊藤健作さんは、「未来を担う高校生と一緒に商品開発に取り組むことは、トラストバンクとしても深い意義を感じている。高校生たち若い世代の視点や発想は、地域の魅力を再発見したり、私たちでは出せなかったアイデアを出す可能性を秘めている。高校生が主体的に地域に関わり、課題や魅力を見つけ出す経験を通して、将来的に地域を支える人材へ成長してもらえることを期待している」と語ります。トラストバンクでは今後も、全国の高校生と一緒に商品開発に取り組んでいく予定です。    ▲西和賀町の郷土食『ビスケットの天ぷら』   ▲実際に自分たちでビスケットの天ぷらを揚げている様子   ▲最終発表会でのプレゼンテーションの様子   ▲商品化に向けて、町内事業者の方と試作している様子     \地域創生エバンジェリスト・伊藤健作さんからメッセージ/...

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